バッソ・オスティナート

1メートルと離れずに二軒の家が隣り合って建っていました。

両家の主人たちは仲が悪く、

向かい合った窓越しに相手を見かけては、いつも互いに罵りあっていました。

一方の家は裕福で、他方はどちらかというと貧しかったのですが、

ケンカの理由はそれとは関係がなく、

ただ単に互いの顔が嫌いだったのでした。

あるとき、いつものように罵り合いがはじまり、二人とも酒によっていた事もあり、物を投げあい、双方の家の窓ガラスが割れる事態になりました。

酔いが醒めてから、さすがにこれはまずいと感じ、話し合った結果、向かいの壁を壊して家をつないで一つの大きな家にすることにしました。

その後しばらくは何事もなかったのですが、あるとき、裕福な方の主人は自分の身の周りのものが少しずつ減り続けていることに気付きました。

よく見てみると、貧しい方の主人が黙って家具などを持っていって、使っていたことが分かりました。

怒った裕福な主人は、また新しく壁をつくり

こうして、再び家は二つになりました。

この、全期間を通して、「お互いの顔が嫌い」という事実は存在していました。

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